言は事に通ずると考える日本

世界各国の言葉に込められた不思議な力と、日本の言霊には少しばかり違いがあります。

日本では万葉集にも詠まれているように言は事に通ずる、という意味を持つことから言と事は混同して使われていました。

その典型的な例が日本神話に登場する八重事代主神。

天皇を守る御巫八神のひとつに数えられる神様で、託宣、つまり神が発した言葉の媒介を司る神様ですね。

八重事代主神は八重言代主神、とも表記されます。

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漢字導入時は現在ほど言葉の使い方が厳密ではなく、言葉の意味を重要視していたので八重事代主神が託宣を司ることから事を言に置き換えるのもアリ、として表記されたのでしょう。

同じ語彙を違う事例に引用するのは、言ってみれば日本神話から続く日本の伝統文化。

だからオジサン達のダジャレは日本文化継承の意味もあるので、若い人達はけっしてドン引きしないようにしてください。

・・・ごほん。

閑話休題。

言は事に通ずる、という言霊の意味から言霊と同時に言挙げという見解が生まれました。

これは自分の意思による行動を起こす前にはっきりと声に出すことで、それが自分の慢心から出た言葉だとしたら災いが自分に振りかかる、という解釈。

言霊はシャーマンのものだけでなく、民衆にも存在するという始まりですね。

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