大国主命と習合した大黒天

七福神に名を連ねている大黒天はふたつの俵の上に乗り、大きな袋を抱えて打ち出の小槌を握っているという、いかにも商売繁盛の神様に相応しい容姿をしていますが、出身がインドのヒンドゥー教で、しかも戦闘と財福と冥府の神様だっただけに大黒天だけを本尊としている神社はあまり多くありません。

神仏分離によって大黒天を祀っていた神社は大黒天が習合した大国主命を祀り、大黒天は寺院に祀られているケースが目立ちます。

日本で最初に大黒天を祀ったといわれているのが大阪は曳野市、町名も大黒という大黒寺。 続きを読む 大国主命と習合した大黒天

水辺に関係が深い弁財天

七福神の1柱、弁財天は出身がヒンドゥー教だけに、日本へ入ってからは神社だけでなく寺院にも祀られている上、明治時代に入って神仏分離が行われたことによって、やや複雑な信仰対象となりました。

ヒンドゥー教では河の神様だったことから日本でも水辺や池、島など水に関係する場所に祀られることが多く、日本の各地でも弁天池や弁天島などの名前を見ることができます。

関東で弁財天を祀っている神社といえば鎌倉は江ノ島の江島神社が有名ですが、ご神体は玄界灘の守護神といわれる宗像三女神(むなかたさんじょしん)が祀られており、弁財天は本殿ではなく辺津宮に祀られています。 続きを読む 水辺に関係が深い弁財天

えびす様は蛭子系と事代主命系

釣り竿を持って鯛を小脇に抱えた恵比寿様を祀っている神社も日本各地にあります。

蛭子神社、夷神社、恵比寿神社、胡神社、戎神社、これらはすべて、えびすと読みます。

恵比寿神の由来は前述したように伊邪那美命と伊邪那岐命の最初の子供であり、不具に生まれたことから海に流された蛭子が元になっている説、大国主命の子供で釣りが大好きだったという事代主命が元になっている説があり、神社によってどちらかの系統に分かれます。

蛭子神系の総本山は西宮神社。 続きを読む えびす様は蛭子系と事代主命系

江戸時代の建物が残っている南宮大社

鉱物の神様である金山彦命を始めとする商売繁盛の神様、日本中の神社に祀られているので近くの氏神様や近隣の神社を調べれば、必ず見つかるはずです。

ちなみに金山彦命を祀っている神社で有名なところは岐阜県の垂井町にある南宮大社。

創設は神武天皇の時代、というからほとんど神話の世界ですね。

現在の場所に創建されたのは崇神天皇の時代。

崇神天皇は今のところ、実在した可能性のある初めての天皇といわれています。 続きを読む 江戸時代の建物が残っている南宮大社

インドからやってきた弁財天と大黒天

大漁旗にもよく描かれている漁業の神様、恵比寿様に続くのは、同じく七福神の1柱、弁財天。

日本神話に登場してくる神様ではなく、仏教の守護神でありヒンドゥー教の女神、サラスヴァティーが神道に取り込まれてこの名前になりました。

ヒンドゥー教の経典を漢字にすると弁才天で、8本の手を持っており、その手には弓や刀など武器が握られていましたが、その後、日本に渡ってきてからは才が財に変わり、手には武器に加えて宝珠や鍵が握られたことから財福、知恵の神様として崇められるようになりました。

七福神にはもう一柱、商売繁盛の神様がいます。 続きを読む インドからやってきた弁財天と大黒天

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