「サンタクロース伝説」カテゴリーアーカイブ

イタリアはサンタクロースではなく魔女ベファーナ

キリスト教総本山、バチカン市国のお膝元であるイタリアになると元来、サンタクロースの存在すらいません。

聖ニコラオスの伝説が北欧を中心に広がり、アメリカに渡って拡散した証でもあります。

しかしクリスマスの日に贈り物を届ける妖精はヨーロッパ全土と同じように存在します。

妖精というより魔女ですね。その名はベファーナ。

その伝承は神の子、イエス・キリストの誕生まで遡ります。 続きを読む イタリアはサンタクロースではなく魔女ベファーナ

煙突から落ちた時の汚れはきちんと箒ではくベファーナ婆さん

魔女のベファーナ婆さん、すでに2000年以上も生きているのでなかなかすごい形相をしています。

とんがり帽子にギョロ目、鷲っ鼻に抜けた歯といかにも魔女っぽい雰囲気ですね。

ベファーナ婆さんが子供たちにプレゼントを贈るのは12月24日ではなく1月6日。

イタリアのクリスマスはキリスト降誕の12月24日に始まり、カトリック教会では主の公現を祝う顕現日で終わります。 続きを読む 煙突から落ちた時の汚れはきちんと箒ではくベファーナ婆さん

ロシアのサンタクロースはドS

ロシアもアメリカン・サンタクロースとはずいぶん異なっています。

白ひげは腰の当たりまで伸び、頭には王冠にも似た帽子を被り、ブルーの分厚いローブを着て手には白い杖。

こちらも魔法使いのような出で立ちです。

その名はジェド・マロース。

ジェドは爺さん、マロースは寒波や吹雪といった意味。 続きを読む ロシアのサンタクロースはドS

娘はやせ我慢の美学を貫いたという解釈

ロシアのサンタクロース、ジェド・マロースの続きです。

寓話には教訓がつきものです。

確かにジェド・マロースの伝承には継母とその連れ子が欲をかいたために連れ子が凍死するという暗喩がモチーフとなっていますが、腑に落ちないのは最初に家を出された娘が、ジェド・マロースから冷たい風を吹き付けられ、なお「暖かいか?」との問いかけに「暖かいです」と答えた部分。 続きを読む 娘はやせ我慢の美学を貫いたという解釈

ドイツの汚れ役といえばクネヒト・ループレヒト

ドイツはサンタクロース発祥の地、オランダと隣国であることから聖ニコラオスをモデルとしています。

アメリカン・サンタクロースと異なるのはクネヒト・ループレヒトという男の召使いを連れていること。

クネヒトは召使いとか従者という意味で、ループレヒトは男性名というから、日本的には従者田吾作って感じでしょうか?

従者らしく、その出で立ちは黒や茶色のフードがついたローブを着ており、顎には真っ白い髭、手には大きな杖を持っており、存在そのものが不気味。 続きを読む ドイツの汚れ役といえばクネヒト・ループレヒト

ヨーロッパの妖精に負けず劣らずの「なまはげ」

イタリアのベファーナ、ロシアのジェド・マロース、それからドイツのクネヒト・ループレヒト。

悪い子にはお仕置きをするという妖精、もちろん日本にもいます。

その代表的な存在が「なまはげ」。

重要無形民族文化財に指定されている秋田県の民族伝承で、「なぐごはいねがー!」は秋田県民でなくとも知っているでしょう。

出刃包丁(または蛇)を持ち、顔は鬼のように赤く、蓑を着たその姿はヨーロッパの妖精に劣らぬ形相です。 続きを読む ヨーロッパの妖精に負けず劣らずの「なまはげ」

サンタクロースさえも訪れない国

トントン・マクートは中南米のハイチ共和国に残る民間伝承で「子供の誘拐魔」という意味。

ハイチは長くフランス統治化に置かれていたのでサンタクロースはトントン・ノエルと呼ばれ、クリスマスになると良い子にお菓子を運んできますが、悪い子の家にはトントン・マクートが来て麻袋に入れられ、連れて行かれるという民間伝承と外来風習が合体した存在です。

もちろん架空の存在ですが、これを現実にしたのが1957年に大統領就任したフランソワ・デュヴァリエ。 続きを読む サンタクロースさえも訪れない国

今年のクリスマスの夜は?

約1600年前、ミラの司教が貧困家庭のために窓から投げ入れたコインが暖炉の前の靴下に入ってしまった、というエピソードは長い年月をかけてサンタクロース像を作り上げていきました。

世界各地のサンタクロースを大別すると、キリスト教に忠実で妖精の姿を保ったままのヨーロッパスタイル、北欧神話とキリスト教の聖ニコラオスが合体して擬人化された北欧スタイル、それからファンタジー色が強いアメリカン・スタイルとなり、3タイプのサンタクロースが存在しています。 続きを読む 今年のクリスマスの夜は?