Categories: 縁起がいい話

縁起物じゃなくて縁起者

人でも縁起の良い人がいます。

力士は縁起が良いとされ、その手形は色紙に飾られてよく見かけるでしょう。

サインならまだしも、手形を飾られる人って他にはいないのではないでしょうか?

元来、相撲は神前で行われる神事として神に奉納されていました。

その中で力士は、神託によって神が依りつき特別な力を与えられた特別な者、とされています。

四股を踏むのは、邪気や穢れを払う行為です。

それによってその土地に五穀豊穣や無病息災をもたらすと言われていました。

土俵に塩を撒くのも、その地を清めるためです。

力士の手形も縁起が良いとされ、重宝されてきました。

そのように力士は神から力を授かった、神聖な存在なのです。

赤子を抱いてもらうとその子は健康に育つとも言われています。

また、神の世界と現世を隔てる役割をしている注連縄ですが、横綱が締めているのも神社などで見るものと同じ注連縄です。

横綱はもはや神のように思われているのですね。

そんな神のような力士ですが、いろいろとゲンを担ぐことが多いようです。

ちゃんこ鍋で使う肉は豚や牛ではなくて鶏が主でした。

それは四本足の動物だと手をついてしまうから負けだが、鶏はずっと二本足で立っているから勝つのだ。

という意味だそうです。

今では豚なども食べるのですが、昔はちゃんこと言えば鶏や魚介類が主だったのだそうです。

また、土俵に上がった力士に控え力士が力水をつけますが、その日に負けた力士はつけられなくなっています。

これもゲンを担いでのことです。

神に近い存在、神から力を託された力士だからこそ、そういうところを気にするのかもしれませんね。

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